彼女が死んでしまう!?
僕は焦っていた。
これは死戦期呼吸じゃないか??
「ひぃぃぃーあ”あ”あ”ぁぁぁーひぃぃぃー!」
彼女は声にならない悲鳴をあげながらもがき苦しんでいる。
僕は必死に彼女に呼びかける。
今にも呼吸が止まりそう。
こ、これは大丈夫じゃないぞ。
深夜0時を回った頃、僕は彼女が死んでしまうんじゃないかと涙を浮かべながら助けを呼んだ
「消防ですか?救急ですか?」
落ち着いたオペレーターが私に問いかける。
救急です。
「どうしましたか?」
過呼吸になってしまって、死んでしまいそうなんです。すごく酷い状態なんです。
「それはだれですか?」
私の嫁です。
「過呼吸はたくさんの酸素が入ってしまうのでゆっくり吸うように言ってあげてください。過換気呼吸は~・・・・」
いやいやわかってる!!わかってるよ!!それどころじゃないんだYO!!
いつもよりひどくてもう30分くらい続いてて呼吸止まりそうなんです。
この時、蒼白な状態の嫁が声をあげた
「ひぃーっ!あああーっ!!」
電話のオペレーターにも聞こえたようで、話がスムーズに進んだ。
よくやったぞ。いいぞ嫁。
すぐに向かいます。
救急隊が到着した
深夜にチャイムが鳴り響く。
すぐに中に入ってもらう。
こんなことならもっと早く連絡すればよかった。
カッコいい救急隊員が3名でやってきた。
嫁の状態は変わらず胸を押さえて苦しんでいる。
自分の意思では動けない様子でとても心配。
心配すぎて私が倒れそう。倒れてるのは嫁だけど。
状況を説明する。
救急隊員の一人が脈や血圧を測る。
もう一人が呼びかける。
◯◯さんですか?
「ハンヌフンヌヴァアー」
呼びかけに応じるように過呼吸ながらも話そうとする嫁。心配だ。
年齢は?
「ニブフーフンハッハッ」
なんて言ってるんだ?
いやいやそれは私が隊員に喋ってるじゃないか。とも思ったが、どうやら傷病者にしゃべらせる事によって呼吸を制限し過呼吸を軽減できたりするとかしないとか?
いくつか質問を繰り返していた。
そんなことより早く病院に連れて行って欲しいと私その時思っていた。それで治せるなら私でやってるよと。
嫁さんの過呼吸はホントに半端なくて失神や意識不明になって治ったりするんだけど、もはやそれは治ってなくてただ死にかけて三途の川を渡ってないだけではないかと私は考えている。
だから救急車を呼んだのだ。意識不明は怖すぎて私が死にそうなのだ。死にそうに見えるのは嫁だけど。
もう一人の隊員が病院へ連れていくべきでは?
過呼吸なんで、自分で呼吸を整えるしかないんでね。
それも分かってるけどどうしようもないから君たちを呼んだんだよ。
嫁の靴下を確認した。よし。
靴下に穴は空いてないな。以前恥ずかしい思いをしたので確認しておいた。
とても心配だ。救急隊員が来てから15分。進展はしていない。
その時嫁は
呼びかけを継続しながら定期的に脈を機械で確認してくれている。
ただ過呼吸の様子は回復に向かっていないようで、普段から私がみる過呼吸アクションをしている。
それは急に痙攣するような動き(怖い
「あっあっあっあー!」という叫び(怖い
ししししししし心配すぎる。あわわ
一体どうなってしまうのか、早く病院に連れて行って欲しい。どうすれば病院に連れてってくれるの?
この狭い部屋で大人5人は狭すぎるし心配のままだ。
なにか薬とか注射で治せないの(´;Д;`)
なにか決めてが必要なの?
その時嫁は
ガバッと過呼吸のボルテージを上げながら立ち上がり
「あーっあっあっ」
バターン
倒れたああああああー!!
決まったああああー得意の立ち上がらなくてもいいのになぜか立ち上がって盛大に転倒する技が決まったあああああーカンカンカンカン
よくやったぞ嫁
これはもう病院送りでしょう?
と私は隊員の方を見る。
なにか袋はありませんか?
私にとっては慣れた嫁の過呼吸アクションの一つであるが、隊員から見れば初体験であろう?
ん?どうだ?過呼吸怖いだろう?
隊員たちは流石に青ざめて見えた。
意を決したように隊員は言う
なにか袋はありませんか?ビニール袋ではない袋があればいいんですが?
ふ、袋?
この袋を使ってもいいですか?
近くにあった今日嫁が買ってきた化粧品が入った紙袋だ。
いいですよ。
と私がいうと、中身の入った袋をひっくり返して中身をザザーと取り出した。
紙袋を使った過呼吸の対処
私は一通り過呼吸の内容を調べたことがある。
口に袋を押し当てて二酸化酸素を量を調整するというやつだ。危険性もあるってウェキペディアに書いてた。
まさか、それをするつもりなのか?救急隊員とはいえ大丈夫なのか?そんなことより専門のアイテムはないのかよっ!!
素早く嫁の口に袋、鼻をつまむ。過呼吸で暴れる嫁。あああー(´;Д;`)怖いー。
紙袋が…
ペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコ
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ペコッ
うわっ!紙袋止まった。
嫁死んだ
ペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコ再開したよ(´;Д;`)ペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコ嫁さっきより苦しそうだペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコ隊員めっちゃ押さえつけるやーんペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコペコやめてーペコペコペコペコペコペコペコペコペコ
ペコッ
わあああー今度こそかぁー!
ペコ
ペコ
ペコ
ペコ
か、過呼吸が……
ぺ、ペコ
あれその前に嫁死んでないかオロオロ
気を失ってる?
ペコ
ペコ
ペコ
むくりと身体を起こす嫁。
オロオロ・・・・・だ、大丈夫?
「うん大丈夫。」
嫁ぇー(´;Д;`)
「死ぬかと思った。」
私もそう思ったよ。特に最後のペコペコ。
まとめ
そうですね。今回思ったことは・・・・・
救急車を呼んでも過呼吸が改善されることはあまりなかったけど、安心さはあったよね。いろいろ対処していただけてよかった。不安はかなり解消されたし、もしものことがあっても大丈夫感はある。
だけど、結局過呼吸の対処法は病院に行っても、救急隊でもやることは一緒だった気がする。落ち着かせてゆっくりと呼吸させることだ。
途中で袋を用いた対処に入っていたが、私には真似できないものだった。
元気になった嫁は
「紙袋は本当に死ぬかと思った」
とのこと。いや怖いよ。
「救急隊員がイケメンで死にたい」
おい。もう正解が何かわからないよ。
というわけで過呼吸の対処は基本的に一緒だけど、救急隊員が一緒にいるととても安心できるということは間違いないみたい。
過呼吸のある方はしっかりと対処法を確認し、向き合ってまいりましょう。
対応していただいた救急隊の皆様、本当にありがとうございます。
またよろしくお願いいたします。
おわり(白目