
「30万円貯まる貯金箱」を、10年近く育ててきました。
30万円です。
旅行にも行ける。
ちょっと良いものも買える。
老後も少し安心できる。
そんな夢の詰まった貯金箱を、ついに割る日が来ました。
ところが――。
一番大変だったのは、貯めることでも、割ることでもありませんでした。
ATMでした。
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- 10年近く、何でも入れ続けた
- ついにハンマーを入れる
- 窓口へ持っていけば終わると思っていた
- 夜のATMへ行った結果
- 翌日、100枚ずつ入れる戦いが始まる
- 100枚を超えると、ATMは容赦なく吐き出す
- 10年近く貯めた結果は、約4万5千円
- 同じ貯金箱へ挑戦するなら
- もしも次の貯金箱を始めるなら
- まとめ|一番大変だったのはATMでした
- 猫殿の判決
貯金箱にひたすらコインを入れるのが趣味な私。
10年近く、何でも入れ続けた

この貯金箱を買ってから、10年近く。
財布に小銭が残ったら、とりあえず入れる。
1円玉。
5円玉。
10円玉。
50円玉。
100円玉。
500円玉。
さらに、ときどき千円札。
もはや貯金箱というより、財布の避難所です。
それでも缶は少しずつ重くなっていきました。
持ち上げるたびに、期待も重くなる。
「これは、かなり入っているぞ」
10年近くの積み重ねです。
30万円とまではいかなくても、かなりの金額になっているはずでした。
ついにハンマーを入れる

このタイプの貯金箱には、取り出し口がありません。
一度開けたら、もう元には戻せない。
つまり、開封ではありません。
解体です。
ハンマーを用意し、缶へ一撃。
硬い。
もう一撃。
まだ硬い。
貯金箱を開けている
金属加工を始めていました。
何度か叩いて、ようやく穴が開きました。
そして中身を、一気に出します。

ジャラジャラジャラジャラ――。
床に広がったのは、想像以上の小銭の山。
1円玉から500円玉まで、きれいに混ざっています。
千円札も出てきました。
見た目だけなら、完全に大金です。
問題は、この大量の小銭をどうやって口座へ入れるかでした。
窓口へ持っていけば終わると思っていた

最初は、銀行の窓口へ全部持っていけば終わると思っていました。
銀行です。
お金を預ける場所です。
お金を預けに来た人間を、温かく迎えてくれるはずです。
ところが、調べてみると大量の硬貨には手数料がかかる。
三菱UFJ銀行では、記事作成時点で窓口の現金入金は100枚まで無料。
101枚から500枚までは550円、501枚から1,000枚までは1,100円。1,001枚以上は1,650円で、その後も500枚ごとに550円が加算されます。
しかも、硬貨を数えてもらった後に入金をやめても、手数料の対象になります。
私の前には、おそらく1,000枚を超える小銭。
貯めたお金を預けるために、お金が減る。
嫌です。
私は、ATMで少しずつ入れる方法を選びました。
なお、現在の条件は変更される可能性があります。利用前に三菱UFJ銀行「その他手数料」をご確認ください。
夜のATMへ行った結果

大量の小銭を持ち、夜のATMへ向かいました。
重い。
歩くたびに、袋の中からジャラ、ジャラ。
ようやくATMの前へ到着。
画面を確認します。
「紙幣のみ」
……。
小銭を入れに来たのに。
紙幣のみ。
持ってきた小銭は、ただの筋トレ器具になりました。
三菱UFJ銀行ATMで硬貨を扱えるのは、現在、原則として平日の8時45分から18時までです。土日祝日や一部のATMでは取り扱えません。
その夜は何もできず、小銭を持って帰りました。
第一回・小銭入金チャレンジ、搬送だけで終了。
翌日、100枚ずつ入れる戦いが始まる

翌日。
硬貨を扱える時間に、もう一度ATMへ行きました。
三菱UFJ銀行ATMで一度に投入できる硬貨は、100枚まで。
ATM入金の手数料は無料です。
つまり、100枚ずつなら手数料をかけずに預けられます。
理屈では簡単です。
理屈では。
公式条件は三菱UFJ銀行「ATMで硬貨を伴う入金・出金・振込をしたい」で確認できます。

まず、小銭を100枚数えます。
1、2、3、4……。
途中で分からなくなる。
もう一度、1から数える。
100枚をATMへ入れる。
機械が数える。
硬貨が多いので、処理にも時間がかかる。
入金が終わる。
カードが戻ってくる。
次の100枚を入れようとしても、ATMはまだ次の手続きができる状態になっていません。
待ちます。
また100枚数えます。
入れます。
待ちます。
100枚入れては待つ。
100枚入れては待つ。
貯金をしている
ATMの耐久試験をしている。
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ATMの前で、ひたすら同じ動作を繰り返します。
ジャラジャラ。
待つ。
カードが出る。
またジャラジャラ。
静かなATMコーナーで、小銭の音だけがやたらと響きます。
恥ずかしい。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
しかし、ここで帰れば、またこの小銭を持って帰らなければなりません。
もう進むしかありません。
100枚を超えると、ATMは容赦なく吐き出す

しかもデカイ音を立てて掃きだしてくるのだ!!
数える作業を急ぐと、何枚数えたのか分からなくなります。
そして、うっかり100枚を超えて入れる。
ATMは、静かに受け入れてはくれません。
「これ、無理っす」
と言わんばかりに、硬貨を吐き出します。
すみません。
もう一度回収します。
数え直します。
また入れます。
そのたびに、ジャラジャラジャラジャラ。
ATMの前に立ち続けること、30分以上。
貯金箱を割るよりも、銀行へ運ぶよりも、ここが一番大変でした。
10年近く貯めた結果は、約4万5千円

すべての入金が終わりました。
10年近く。
重くなるたびに夢を見た、30万円貯まる貯金箱。
最終結果は――。
約4万5千円。
……。
30万円は、どこへ行った。
しかし、貯金箱が嘘をついていたわけではありません。
30万円というのは、500円玉だけを入れて満杯にした場合の話です。
500円玉を600枚入れれば、30万円。
私はそこへ、1円玉も、5円玉も、10円玉も、何でも入れました。
同じ場所を使っても、中身の価値はまったく違います。
貯金箱は悪くない。
入居者の単価が低すぎました。
同じ貯金箱へ挑戦するなら
30万円を本気で目指すなら、500円玉だけを入れる。
いろいろな硬貨を入れるなら、満杯になっても30万円には届かないと覚悟する。
そして銀行へ持っていく前に、100枚ずつ分けておく。
この3つが大事です。
特に最後。
ATMの前で1から数え始めてはいけません。
小銭整理に使えるもの
もしも次の貯金箱を始めるなら
今回と同じシリーズの大容量貯金箱です。
次こそ500円玉だけで埋めれば、夢の金額へ近づけます。
※商品名や仕様、価格は販売ページでご確認ください。
まとめ|一番大変だったのはATMでした
10年近く貯めた貯金箱を割った結果、約4万5千円になりました。
それ自体は、普通にうれしい。
何もしなければ残っていなかったお金です。
ただし、そのお金を口座へ入れるために、ATMの前で30分以上ジャラジャラすることになりました。
30万円貯まる貯金箱を10年ぶりに割った結果。
一番大変だったのは、ATMでした。
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腐ったみかん事件簿では、日常で起きた「なんでこうなるんだ」を実話で記録しています。

猫殿の判決
「30万円貯まる」という言葉に、偽りはない。
ただし、お主は1円玉から千円札まで、何でも入れすぎた。
そしてATMへ持っていく前に、100枚ずつ分けておくべきであった。
判決。
貯金箱は無罪。ATMも無罪。計画性だけが行方不明である。
「貯金箱もリスクの時代だね。全然よくないし、大変。」