ついにこの日が来てしまった。
年に2回の会社の健康診断。会社で健康管理までしてくれるなんてなんて良心的な会社なのでしょう。
しかも、健康診断なのに出勤扱いしてくれる。
この日は本当に素晴らしい日なのだ。会社さぼれるから
前回はどういうわけか帰り際にフィットネスクラブの入会のチラシを不覚にも受け取ってしまった。
前回の話はこちら▼
おかしい。毎日以上に毎日通っているのにだ。屈辱しかない。っっ
あれから半年、世界は変わったのだ。新型コロナウィルスの影響で。。。。。
私は意を決して医療機関へ向かって歩いている。
健康診断のルーティンワークは変わらない。
最近の会社はすごい。入り口でセキュリティカードをかざして入場する。
セキュリティカードがないと中には入れない。素晴らしい会社だとおもう。
いつもこのゲート・・・・・緊張するんだよね。
そうして私はいつも通り、誰かの後ろのピッタリくっついてセキュリティカード無しでゲートを通過する。
もう慣れたものだ。当たり前の顔で歩けばいい。すんなりとゲートは通してくれる。
今日はいつもの守衛さんがいないようだ。ああ残念。「ッザ」という挨拶が聞けないのは味気ない。
ゲート潜って少し先にあるビルに入る。
中に入ると私だけがこのビルを守る守衛に声をかけられる。
「何かご用ですか?」
他の人もたくさんいるにもかかわらず、いつも私は声をかけられるのだ。私が不審者だとでもいうのだろうか?それともセキュリティカードを使用していないのがバレているのだろうか?
私はなにも言わずにポケットに入れたクシャクシャになった健康診断受付表をなにも言わずに見せ、さきに進んだ。
もうこの先は魔窟なのだ。誰一人心を許してはいけない。
私はクシャクシャになった受付票をくしゃくしゃにしなおしてまたポケットに入れた。
最上階に位置する場所が健康診断の現場だ。
ここには中高年が集められ、一斉に流れ作業がごとく身長体重年齢、採血、採尿、心電図、レントゲンなど次から次へと行われている。
私も今の職場についてもう15年。なんどここにおとずれ、修羅場をくぐってきたことか。
分からないことがあればもはやなんでも聞いてくれ。そう思う。
意気揚々とポケットからくしゃくしゃになった受付票を嬢に渡す。
「こちらは結構です。こちらにお名前をお書きください」
くしゃくしゃになった受付票はいらないらしい。
私はくしゃくしゃになった受付票を再度くしゃくしゃにしてポケットに大事に直した。
もう受付票なのかゴミなのかわからない。うそでしょ?受け取ってよ。クシャクシャな時点でもう恥ずかしいかったのに、それをまたポケットに直すのもっと恥ずかしいし。もう帰りたい。誰?受付票をカウンターで渡すって言った人!やめろよ!!もういや。
ふう。ポーカーフェイスでよかった。
名前をささっと書いた。
「順番にお呼びしますので椅子に座ってお待ち下さい。」
ちょっw待てよ??
私の目から見て、もはや自分の名前を間違ってしまった。
ど一見ても文字足りないのだ。私が久保田なら久保までしか書いてない。
どうしよう。
嬢がどうやら名簿に名前が書いてないようで困っているように見える。
「あの!あのぉー!久保田ですぅー!!!」
大きな声が出てしまった。
「順番にお呼びしますので椅子に座ってお待ち下さい。」
嗚呼・・・・・・
もしここがマイクラならワールドをやり直したい。
なにも始まってないのに全てが終わったかのような疲労感に包まれる中、指定の番号をふられ、採尿と採血など健康診断をこなしていくのだけど・・・・・。
採尿の話はこちら▼
え?これってみんなどんな感じで受けんの?????
採尿は今回はばっちり。うん○しながら採尿することができた。以前のような失敗はもうしない。
採血は相変わらず苦手だ。正直に言おう。みんな採血ってどんな感じで受けてるの?
ガタガタガタガタ
「大丈夫ですか?」
ナイスなシニア年代の看護婦が声をかけてくれる。
正直に言おう。大丈夫ではない。わかってる。わかってるのだよ。
君が私の血管を刺すのを失敗するっていうことがね。
私のデリケートな肌感覚は絶対なのだ。絶対にこの人は私の血管を当てれない。
採血とは戦いなのだ。鍛え抜いた肉体は強靭な血管へと変化させる。
ブスっ
「・・・・・あ、、、、、ああぁぁあああああ・・・・・・」
ガクガクガクガクガク
「あ、血が出てきましたね。」
「あれ?出なくなりましたね。」
「ゆっくり出てますね」
「あれ?出なくなりましたね?」
「あれ?あれ?」
グリングリン。
やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!
刺さったまま血管探すのやめろぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー!!
角度で出やすいとかそんなんないからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!
あぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああーーーーーーーー!!
あっガクガクガクガクガク諤々
「大丈夫ですか?」
キリッ「全然大丈夫です。」
「抜きますね」
「あぁぁぁぁ+++++」
むりだ。採血はむりだ。もうむりだ。刺さっていた腕が痛い。こんなのもう耐えられない。
そんな怯え切った私を見て
「あ、もう、大丈夫です。今の量でなんとかします」
キリッ「あ、そうなんですね。ありがとうございます。すいませんね。」
たぁぁぁっぁあすかったぁぁぁっぁあああーーーーー!!!
採血さえ終わればあとは問題ない。
身長体重、聴覚、視覚の検査をすませた。
心電図検査だ。みなさん受けたことありますか?
身体にペタペタ吸盤をくっつけて、手足を挟んで検査するアレだ。
アレ。
ダメだよね??
なんかニヤニヤしちゃうよね?
嬢「失礼します」
「力抜いてくださいね」
ヒュポ、
ヒュポヒュポ
あっ・・・
「冷んやりしますよー」
ヒュポ
ヒュポ
ヒュポ
ちょっとなんかムラムラするよねぇ?
はぁはぁ。。。。
全ての検査が終わり、、前回の屈辱を晴らすべく先生と向き合う。
医者\「さすが。というべきか。」
ああそうだろうよ。
医者「さすがの肉体ですね。異常値はないです。」
毎日どれだけの運動量をこなしていると思うのだよ。
医者「この調子で大丈夫です。いいですよ。」
見事前回の屈辱は晴らせたようです。
医者「体重以外は」
あああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁあっぁあっぁあっぁぁぁあっぁぁぁあああーーーーーーーうわあわわわわわわわわわっっわわあっっわっわあわっわううあううあわうっううあうわうあうあうあうあうあううわううあうあうわううわうわうあうあううあうあうあううあううあうあうあうあうあうっわああああーあーあーーあーあーあーあーーあーあーーあーああ覚えてろぉぉぉおおーー!!覚えてろよぉぉぉぉおおおおおおおおおおーーーーー!!絶対にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい絶対に体重を減らしてかえってきてやるからなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーあああああ
マクドうめぇぇぇぇーーーーー!!
おわり(全員無視
去年の健康診断の結果はこちら▼