腐ったみかんは俺かお前か

腐ったみかんは俺かお前か?

どっちが腐っているのかな?そんなブログ。

【体験談】雪崩にあった話



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その日は晴天とは言えなかった。

その日は標高2000mの日本の山だった。

その日は山でスキーをする日だった。

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私がスキーを滑り始めたとき

 

それは音もたてずそれはやってきた。

 

 

 

 

 

 

雪崩の体験談【目次】

はじめに

僕が今ここで生きていることに感謝しています。

僕は精一杯生きてやる。あの日からそう決めてる。

生きてることは自然なことじゃない。

 

 

雪崩とは

山岳部の斜面上に降り積もった重力の作用により、高速度で移動する自然現象である

事故現場は急斜面。

僕たちは合宿でこの地に来ていた。

そんなに雪が多くないシーズン前だった。

スキー板を担いだり、履いたまま上る山スキーだ。

雪崩の前兆

雪崩の発生条件は様々で、単純な一般化は難しいが、降り積もった雪粒同士の結合がなんらかの外的要因(重力、圧力、気温の上昇など)によって壊された際に発生すると言える。

雪崩が発生する危険な状態に対する注意喚起として、日本では気象庁雪崩注意報(なだれ注意報)を発表している。なお、雪崩では注意報は発令されるが警報は存在しない[1]

厳冬期、急激な気温の変化は、積雪内部に大きな温度差を生じさせる。これは「しもざらめ雪」と呼ばれる弱層が形成されることが多い。また、一度に大量の降雪があると、弱層の上に積もる雪に荷重が増す。 急な斜面の場合、弱層は支持力を失いやすくなり、雪崩が発生する危険も非常に高くなる。

このように、気象や気温の変化などに注意することはもちろんのことだが、大きな雪崩の多くは、35から45の急斜面で発生していることも見逃せない。また、樹林帯のなかに一部分だけ樹木の生えていない斜面があったら、そこは雪崩が頻繁に起こっていることが多いものである。 そのほか、雪庇や障害物のない広大な斜面、沢筋などにも注意が必要だろう。

雪が積もり、雪崩が起きそうならば、そこへは不用意に入らないことが大事である。 雪崩を1回でも発見したらそこは雪崩多発の危険地帯であり再び雪崩が起きる可能性がある為、進まずにすぐ引き返すか安全な場所に避難すべきである。

なお、映画などに出てくる「大きな声を出したら雪崩に遭う」ということはない。ただし、音の発生源が地表に衝撃を与える物、であった場合は雪崩の発生する可能性が高い。

その日は雪が降っていて、冷え込んでいた。

また粉のような雪で美しいかった。

雪の深さはだいたい膝くらい、もしくは足首くらい(踏まれているところ)で、注意報など何も出ていなかった。

 

雪崩にぶつかる瞬間

それは僕が斜面をスキーで滑り始めたときに誰かが叫んだ!

「みかん!逃げろー!!」

 

 

 

 

僕は何が何かわからなかったが、

 

それは無音だった。

 

 

足元に雪の粉がサラサラと近づいてくるようだった。

 

 

ズバッ

 

車にはねられたような衝撃と空を飛んだようなそんな感覚だった。

 

それからはゴゴゴゴゴゴゴォォォーと台風の中にいつような感覚だった。

 

 

私は雪崩に巻き込まれた。

 

雪崩の中にいたとき

はじめは転倒しただけかと思った。

 

でもスゴイ音で、体がグルグル回っていたと思う。

 

上も下もわからない。音も本当に怖い。

 

体がバラバラになるような感覚と、真っ暗闇。

 

轟音。

 

抗えない力、得体のしれない力に押される、押しつぶされる。

 

恐怖だけが積もってくる。

 

時間がすごく長く感じた。

 

 

死にたくない

死ぬかもしれない。

だってここは2000mの山。

滑落すれば間違いなく死ぬ。

崖ではなくとも急斜面にはビルほどの岩もたくさんある。

ぶつかってもきっと死ぬ。

今いったいどれくらいの速度で流されているのか、

ひたすら恐怖だった。

こんな恐ろしいのか。

 

雪崩に巻き込まれながら映像を見た記憶が鮮明に残っている。

 

そのとき僕は自分の葬式を見た。

 

夢なのか、走馬燈の延長なのか、それとも気を失っていたのかわからないが、

 

様々なものをその時に見た。

 

 

その途中で「死にたくない」「死にたくない」「死にたくない」

ただそれだけだった。

 

僕は死にたくなかった。

 

 

僕は雪の上に出た。

何が起こったのかわからない

はぁ~・・・

びっくりした。

本当にびっくりした。ちょっと涙が出た。

でも・・・うんうん。どこもケガはないみたいだ。

手足もつながっているし骨が折れている感じもしない。

「助かった。」

 

僕は大声を出した。

「おおーーーい」

僕は無事だよ!!みんな大丈夫だよー!!

そんな気持ちだった。

 

 

雪崩に巻き込まれたけど僕は助かった。

 

僕だけが雪崩に巻き込まれていたと思っていた。

 

 

周りに四散しているストックや板、

 

元の場所はもうどこかわからない。

 

元の場所には誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

見えるのは真っ白な雪と

聞こえるのは恐ろしい吹雪の音だけだった。

 

 

すごい勢いで心臓が締め付けられた

 

 

真っ白で前がどこかもわからない。

 

誰もいない。

 

 

「おおおーい」

 

「おおおーーーーい」

 

顧問が山小屋のほうを向いて叫んでいる。

 

 

首しか雪から出ていない。

 

 

先輩が一人見つかった。

 

 

ようやく事態を再確認した。

 

 

 

背筋が凍る。

 

僕らは38人いたんだ。

 

 

 

地獄絵図

雪の上に手首だけが出ている。

 

ピクリとも動かない。

 

わぁぁーわわわー

 

僕は恐怖で恐怖でもう何をどうすればいいのかわからなくってパニっくだった。

 

泣きながらその手を握った。

 

わーわーーー。

 

死んじゃう。この人死んじゃう。

 

 

と、うしろから思いっきり先輩に殴られた。

 

「何やってんだ!!掘れぇぇぇぇー!!」

 

 

僕も我に返った。このときの先輩には本当に感謝している。

 

雪崩に巻き込まれながらも数人が出てこれていた。

 

それでも4,5人ではないだろうか。

 

 

 

時間の経過とともに、あちこちで悲鳴が聞こえはじめた

 

「わー」

 

「きゃぁー」

 

「たすけてー」

 

 

もう怖くて仕方なかった。ついさっき、自分が死ぬかと思って走馬燈をみたところだ。

 

さっきまで一緒にいた仲間がいない。

 

心の心底から震える。

 

 

 

「オイ!絶対に全員助けるぞ!!」

 

 

僕らは必至で走り回った。

 

腕だけが出ている。

 

足だけがでている。

 

気を失っている。

 

悲鳴が聞こえる。

 

みんなはパニックだった。

 

 

一人づつ救出していった。

 

ひたすら雪を掘った。どれだけ深いのだ。

 

 

吹雪の勢いは強まるばかりで、掘り返してもすぐ埋まってしまう。

 

雪面から口だけが出ている人もいた。

 

 

 

160cmの人が縦に埋まっている。その下にもう一人160cmの人が縦に埋まっている。

 

どんな規模の雪崩だったか想像もつかない。

 

この中でも小さい雪崩が何度も起きる。

 

次また大きい雪崩がきたら一巻の終わり。ほんとうに怖い。

 

でも、救出中に転倒や雪崩を何度も受けたがもう恐怖は感じなかくなった。

それよりも「助ける」それだけだった。

 

 

近くの小屋から応援もきて、長い鉄の棒を順番に雪に刺しながら埋まった人を探す。

 

一旦小屋まで引き返す指示が出たので、現場から離脱した。

 

ホワイトアウトの恐怖

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現場から小屋までは300mくらいだろうか?

 

そんなに離れていなかったと思うし、肉眼で見えていた。

 

 

はずだった。

 

 

 

何も見えない。

 

 

もう小屋についていてもおかしくないはず。

 

 

でも何も見えない。

 

 

それどころか、現場もわからない。

 

近くを歩いていた仲間も見えない。

 

 

雪は胸まで埋まっている。歩くこともままならない。

 

周りは轟音と真っ白な世界。

 

ホワイトアウトだ。

ホワイトアウト英語: whiteout)は、雪や雲などによって視界が白一色となり、方向・高度・地形の起伏が識別不能となる現象。

ホワイトアウトの状態に陥ると、錯覚を起こしてしまい、雪原と雲が一続きに見える。太陽がどこにあるのか判別できなくなり、天地の識別が困難になる。また、太陽光が遮られ、足元の風紋も見えなくなる場合もある。航空機の場合には墜落の原因ともなり得る。

ホワイトアウトには大きく分けて以下の3つがある。

  1. 極地や冬の雪山などで、吹雪や地吹雪によってが舞い上がって起こるもの。
  2. 風が弱い状態で非常に大量の雪が降っているとき、降っている雪自体が視界を遮り、太陽光のさす角度によって全方向の雪が白色を反射して起こるもの。
  3. 雪が全く降っておらず、近くの視界は明瞭な状態で、雪表面や乱反射などが原因で視界が極端に悪くなっておこるもの。

雪が積もっても降ってもいない場合でも、で視界が極端に悪くなった状態に、「ホワイトアウト」という表現を用いることもある。

このまま遭難してしまうのでは??

恐怖にかられて動けなくなってしまった。

 

心臓がバクハツしそうだ。もう嫌だ。

 

歯を食いしばって歩いた。

 

 

 

小屋の人の声に救われた。

 

「こっちだぁー!!こっちだぁぁー!!」おおおおーーーい」

 

知らずの間に小屋より下に降りていたようだった。

 

この時この声に気づかなかったらダメだったと思う。

 

命からがら小屋に戻ってきた。

 

小屋ではみんな泣いてた。

 

叫んでいた。

それは恐怖なのか、安堵なのか。

 

地べたに座り込んでいた。

 

よかった。みんな助かった。

 

 

誰がいない

仲間の点呼をとる。体調を確認する。

みんな大丈夫か?

びっくりしたな。

 

顧問やOBも戻ってきていた。小屋の人と集まっている。

私も近くに行き話を聞いていた。

 

 

 

雪崩からたぶん3時間ほどたっている。

 

背筋が凍る。まだ5人がみつからない。 

おわりに

書き始めから終わりまで1年くらいかかった。

書いては消して、書いては消して、書いては泣いて、

なんで記事にしたんだろうかなんて自問自答して、

 

でも、この記事が何かの役にたつかもしれない。

僕の記憶に間違えずに残すようにしているかもしれない。

誰かに話したかったのかもしれない。

どこかに懺悔の気持ちがあるのかもしれない。

ずっと心を縛られているかもしれない。

 

いろいろあるけど、私はそいつらの分まで、精一杯生きていたいと思うワケです。

 

おわり

 

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