クリスマス。
それは私にとって、サンタクロースがプレゼントをくれる貴重な日。
1年間で誕生日の次に好きな日。それがクリスマスの日だった。
妹弟の多い家系の長女に産まれた私にとって、プレゼントがもらえる素敵な日。
赤い服を着て白いヒゲのおじさんがプレゼントを持ってきてくれる。
夜寝て、朝起きるとほしかったプレゼントが枕元においてある。
あぁ・・なんて素敵な日なんだろう。
私はクリスマスが好きなんだ。
妹弟もみんな喜ぶ、笑顔で溢れる日なのだ。
そして今年もクリスマスが来た。
私たち妹弟はウキウキしているし、私もウキウキしている。
この時、私の妹弟は私を含めて4妹弟。
笑顔で溢れる日に母に連れられてトイザらスにいる。
母は口を開いた
「こっから選びぃー」
え?どういうこと?
私は母に言いました。
「いや、いいよ。サンタさんからもらうから、いいよいいよ。」
「何言ってんの?サンタはいないよ。あれは私だよ。」
「ここからここまでですきなやつえらびー」
妹たちと戸惑いながら衝撃的な事実を伝えられた。
ショックを受け止める暇もなく、「今」「この」「タイミングを逃すとプレゼントがもらえなくなる」という恐怖から私は一生懸命自分のプレゼントをトイザらスの一角から探した。
妹、弟も探している。おかしい。プレゼントってもっと笑顔なものではなかったのか。
必死の形相を妹弟がしている。きっと私もそうだったに違いない。
あれ?あれ?サンタクロースが母?あれ?え?
やっとのことでプレゼント(自分の)を選び、母の元へ持って行った。
「あんた考えや!」
ダメだった。何がダメなのかはわからないが、母は私に考えろという。
今日はクリスマス。サンタクロース。プレゼント。
※母は金銭面を考えて選びと言ってる
「よく考えて選び!」
プレゼント(になる予定だった)を棚に戻し、私は考えた。
サンタクロース、クリスマス、世間はにぎわいムード。
子供だって大人だってなにかドキドキワクワクなんだ。
あれ?あれ?
何を考えろというの?
私は長女なのだ。妹2人、弟1人。※この時は。のちに+7人増えることになる
「早し、早くしー」
うう(´;ω;`)ウッ…
なぜプレゼントを選ぶのにせかされなければならないのか。
しかし、急がないとたぶんなくなってしまう。唯一のプレゼントがなくなってしまう。
母は待ってくれないのだ。よくわかっている。もうなんでもいい。
何かもらえるだけよかったと思えるだろう。
よくわからないままそこらへんにあるプレゼントを持って母のもとへ持って行った。
一体何を選んだのかもう覚えていないけど、サンタがいないのを知ったのがトイザらスで、毎年楽しみにしていたのに・・・いろいろショックすぎて辛い。
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今、彼と結婚指輪を選びながらあの日のことを思いだしているんだけど・・・
あの日以来私にはサンタクロースは来なくなった。
あの日私は大人になったのだ。サンタクロースはいない。プレゼントは母が買ってきた。プレゼントに中古のシールが貼ってた日もある。
それでも私が高校生になっても毎年クリスマスプレゼントをくれる母は好きだった。
今年は母に何か買ってあげよう。そんな気持ちだった。
そんな母からラインが今年きた。
私よりも年下の彼氏ができたらしい。
メリークリスマス
おわり